ポール・サイモンはやっぱり天才だった『ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー』Paul Simon Stranger to Stranger 視聴レビュー
ポール・サイモンのニューアルバム『ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー』を聴いた。
まず、本人がライナーを書いていて、これがネガティブな書き出しでとてもユニークな文章になっている。
ポールが解説を書くのは、『グレイスランド』以来じゃないかな?
肝心の音楽の方は、斬新なリズムと、どこか老舗の味と言えるサイモン流メロディー、
恐らくは何年もかけて磨き上げたであろうサイモン流美しい歌詞。
どれをとっても文句の付けようが無い。
ロイ・ハリーが共同でプロデュースを務めたことも大きい。
彼の新作を聴く度に、「これがキャリア最高傑作」だと思ってきた感覚を、
前作『ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット』、前々作『サプライズ』辺りから感じ取ることのできなかった私もはっきり言う。
今作がキャリア最高傑作であると。
つまり、『明日に架ける橋』、『ひとりごと』、『時の流れに』、『ハーツ・アンド・ボーンズ』、『グレイスランド』の隣に置いておけるアルバムである。
75歳になるのに新境地を開いたとは、とんでもなく探求心豊かな天才だ!
その歌詞も含めると、5年掛かりでゆっくり楽しめる作品の登場である。
(「ダンカンの歌」のライブバージョンをボーナス・トラックに収録してくれたことも古いファンにとっては、とても嬉しいことだ。)
「本当に聴く価値のあるものを作りたかった」- ポール・サイモン
http://hd-music.info/album.cgi/10471
http://www.e-onkyo.com/music/album/uml00888072398061/
Richard Cory