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恐るべし2010年代の充実 エルトン・ジョン(Elton John) ワンダフル・クレイジー・ナイト(Wonderful Crazy Night) 最新ツアー、セットリスト

エルトン・ジョン(Elton John)の最新作「ワンダフル・クレイジー・ナイト(Wonderful Crazy Night)」が2月5日に発売になった。

   

プロデューサーはT・ボーン・バネット(T Bone Burnett)

 

T・ボーン・バネットは。2010年、レオン・ラッセルとの共演盤「ザ・ユニオン(The Union)」、2013年、「ザ・ダイヴィング・ボード(The Diving Board)」に続いて、3枚連続でプロデュースを手掛けたことになる。

 

一般的にエルトン・ジョンの成功は、1970年代半ば頃までとされている。
しかし、本当に大きな才能を見せつけたのは1980年以降から今日に至るまで一連の充実した作品群にある

 

特に、2010年代、T・ボーン政権で制作された3作品は本当に凄い。

 

憧れのヒーロー、レオン・ラッセルと組んだ「ザ・ユニオン」には、アメリカ南部の音楽(スワンプ)への憧れを感じさせ、エルトン、レオン、バーニー・トーピン、T・ボーンがそれぞれにコラボレーションをし、実はエルトンとレオンには、美しいメロディーを書く能力が高いと言う共通事項があり、そのことがスリリングに入り乱れている面白さを認識させる傑作だった。

 

英12位、米3位、ローリングストーンズ誌では2010年のベストアルバム3位に選出された。

ジム・ケルトナー(Jim Keltner)マーク・リボー(Marc Ribot)、デイヴィー・ファラガー(Davey Faragher) 、ドイル・ブランホール(Doyle Bramhall Ⅱ)ら がバンドにいたのもユニークなポイントだった。

 

ザ・ユニオン(DVD付) CD+DVD

 

2013年には、再びT・ボーン・バーネットをプロデューサーに迎え制作された、「ザ・ダイヴィング・ボード(The Diving Board)」がリリースされた。
英3位、米4位。

前作に続き、ドイル・ブランホール(Doyle Bramhall Ⅱ)の参加や、トゥ・チェロズ(2CELLOS)が参加していた。


基本はピアノ、ドラムス、ベースを基調とし、それらが緻密に交錯するライブ風にしたてた作品だった。

 

収録された楽曲群は奥が深く、強力で、発売から2年以上経過した今日聴いても飽きることのない美しい名盤だ。

 

The Diving Board

 

 

さて、最新作の「ワンダフル・クレイジー・ナイト」だ。

T・ボーン・バネットが「アップビートのロックンロール・レコード」と呼んでいたこともあり、ある程度はその内容に察しがついていた。

 

ナイジェル・オルソン(NIGEL OLSSON)、デイヴィー・ジョンストン(Davey Johnstone)ら現在のツアーメンバーにレイ・クーパーを加え、14曲を17日でレコーディングしたという作品だ。(ダイヴィング・ボードは10日間)


エルトン・ジョンの作品には、何度も何度もテイクを重ね、修正をするというやり方は合わないのだ。

相変わらずのメロディー・メイカーぶりも健在で、さすがの貫禄を聴かせている。

面白いのは、バーニーの書く歌詞の色調に合わせてメロディーを書いてきたエルトンだが、ここではバーニーの方がエルトンのメロディーに合わせるようなハッピーな歌詞を書いているという点である。

 

彼の歌詞を読みながら聴けば、向こう3年間は楽しめる快作の登場となった。

 

エルトン・ジョン ワンダフル・クレイジー・ナイト

 

 

さて、私はT・ボーン・バネットとエルトン・ジョンの共作は、今回が最終回になると思っている

 

また、これら3枚のアルバムの共通点として「エルトン・ジョン3(タンブルウィード・コネクション Tumbleweed Connection)」に思いを馳せているという趣きがあると感じている。

 

エルトンがアルバムを制作する上での目標に置く作品が、上記「タンブルウィード・コネクション」や「マッドマン(Madman Across the Water)」なのだ。

 

とにかく、今はエルトン・ジョンがまた再び活力に満ち合わせた作品をリリースしたことに、ファンとしての幸福感を感じずにはいられない。

 

エルトン・ジョン エルトン・ジョン3(タンブルウィード・コネクション)

 

 

アルバム発売日である2月5日には、ロンドンのセント・パンクラス駅にてサプライズ・ライブを行ない、同駅にサイン入りのピアノを寄付。

 

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同日、フランス、パリにてWonderful Crazy Night Tourをスタート。

Théâtre Olympia, Arcachon, France Wonderful Crazy Night Tour 2016/2/5
セットリスト Setlist
1. Funeral for a Friend/Love Lies Bleeding
2. Bennie and the Jets
3. Levon
4. Looking Up *
5. A Good Heart *
6. Daniel
7. Tiny Dancer
8. Philadelphia Freedom
9. Goodbye Yellow Brick Road
10. Rocket Man (I Think It's Going to Be a Long, Long Time)
11. Wonderful Crazy Night *
12. Blue Wonderful *
13. I Guess That's Why They Call It the Blues
14. Sad Songs (Say So Much)
15. Burn Down the Mission
16. Sorry Seems to Be the Hardest Word
17. Don't Let the Sun Go Down on Me
18. The Bitch Is Back
19. In the Name of You *
20. I'm Still Standing
21. Your Sister Can't Twist (But She Can Rock 'n Roll)
22. Saturday Night's Alright for Fighting


23. Your Song
24. Guilty Pleasure *

* アルバム「ワンダフル・クレイジー・ナイト」収録